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撮影打ち合わせ開始!スタッフィング・キャスティングまで
ロケハンとは?
さて、今回はロケハン(ロケーション・ハンティング)をした時のレポートです。ドラマやバラエティなどのTV撮影の用語としてよく耳にする言葉ですね。
ロケハンとは、撮影をする場所を探すことです。
今回のPV撮影では、「あらかじめセットが組まれているスタジオ」と、「既存の空きビルをそのまま撮影に使えるロケ地」の2パターンを使用しました。
ロケハンをする際には、ロケなび!のようなロケ地を掲載しているサイトで探したり、
フィルムコミッション(撮影支援をしてくれる地方公共団体や観光協会などのセクション)経由でロケ地を紹介してもらったり、
過去に撮影でお付き合いしたスタッフからの紹介だったり、
色々な方法でロケ地を探していきます。
ちなみに、大きな撮影現場などになると、こういったロケハンをしてくれるのは、前回の記事(撮影打ち合わせ開始!スタッフィング・キャスティングまで)で紹介した「制作部」さんになります。
ロケハンによってロケ地の候補がまとまったら、現地を確認しに行きます。
あらかじめセットが組まれているスタジオ
スタジオ内には既に装飾されている壁セットや備品が備え付けられています。スタジオなので照明もしっかりと設置されています。
撮影において屋内・屋外問わず、この照明は映像のクオリティを左右する要素になります。
細かな小道具などもロケ地の確認の際に設置してみて、撮影当日にトラブルがないようにチェックしていきます。
今回使わせていただくスタジオには、撮影に関する機材がバックスペースに眠っていました(笑)
元撮影部だった管理人さんの愛用品が寄贈されているそうです。
一つのスタジオに撮影に使えるスペースがいくつか用意されていて、角度を変えて撮影することで全く違ったロケーションでの撮影が可能です。
このスペースで撮影すればバーのシーンが撮れますね。
既存の空きビルをそのまま撮影に使えるロケ地
今回のPV撮影の雰囲気を最大限伝えるために選ばれたロケ地の外観です(笑)この日は天気も悪く、より一層おどろおどろしい雰囲気が伝わってきますね。
今回のPV撮影で一番最初のカットとなる場所からチェックしていきます。
どの場所で、どの角度から撮影するかは光の入り方や背景に何が映るかなど色々なことを考慮して検討していきます。
廃墟らしく天井が崩れ落ちた一角が……
抜けた天井から光が差し込んできて、それだけで色々なシーンの撮り方がイメージできますね。
フロアを変えて、ここでは「とあるシーン」を撮影するために、美術部さんとどのようなセットを組むか打ち合わせです。
実際に撮影された映像では、組まれたセットと照明、キャストの皆さんのおかげで、まるでその場所にいるかのような画になりました。
みんなでトイレを覗いているわけではなく、トイレの出てくるシーンでどこからとるかを絵コンテを元に検討している最中です。
このシーンはどう撮ったら上手く伝わるか、非常に試行錯誤しました。
ビルの地下です。一見本物に見えますが、これもセットなんです。
ここも美術部さんと監督のアイディアでまるで○○な空間に大変身します。
スタジオに残されているドラム缶の大道具です。奥に見えるのは普通のドラム缶で重いですが、手前の半分のドラム缶は材質が違って簡単に持ち上がります。
こちらも過去の再現ドラマの撮影で使われた岩肌です。スタジオ内には結構色んなセットが残っています。
こうしてロケ地の確認をして、用意する大道具・小道具や当日撮影する各シーンやカットの撮影場所や順序、照明の位置などを絵コンテや台本を元に決めていって、香盤表(撮影におけるスケジュール表)を作成してスタッフとキャストで当日の動きを共有します。
さて、これでロケ地も決まり、当日の撮影の流れを組む段階に入りました。
次回は、並行して募集を進めていたメインキャストとなる主役と脇役のオーディションの模様をレポートしていきます!